10話 馴れ馴れしいって積極的ってことでしょ?褒め言葉じゃん。
「です。それなりによろしくお願いします。」
ペコリと頭を下げる。
そんなを俺は冷ややかな目で見ていたに違いない。
だって・・・・・・・・・・・・コイツ・・・・・・・・・・・・・
「ちょっと待って。ちゃん。」
「はい?」
「どうしてブルマにTシャツなの?」
はTシャツにブルマという何ともおかしな格好をしていたからだ。
向かい合って立っている俺達。
赤也は口を開けて間抜けに立ってるし、柳生も信じられないって顔している。
の隣に立っている幸村君も笑ってるけどたぶん・・・・・・・。
真田なんか握ってる拳が震えてんじゃん。
柳はメモってるし、ジャッカルは当然と言った顔をして見ている。
でも、俺の隣の仁王だけは口端を上げて笑っていた。
「え、だってジャージないし・・・・・・・・。」
「普通の体操服はないの?」
「明日届くって。だから今日は何故か家にあったブルマとTシャツで「制服に着替えておいで。」
幸村に一喝され、はしぶしぶ部室へと戻って行った。
まあ自己紹介は終わったことだし別にいいけどさ・・・。
「おい、何でアイツがマネージャーなんてしてんだよ!?」
「俺に聞くな。誘ったんは幸村だぜ。」
「ゆ、幸村ぁあ!?」
仁王は、真田と今日の練習メニューを相談している幸村君に視線を向けた。
何!?
マジで幸村君が誘ったわけ!?
何でだよ・・・。
マネージャーなんていらねえじゃん。
雪菜だけで十分じゃん。
そんな俺に気づいたのか、仁王は意地悪そうに笑うと、ラケットを脇に挟み、ポケットに手を突っ込んだまま柳生のところに行ってしまった。
「・・・・・・・・・・・・・・ヤな感じ。」
「誰が?」
振り返る。
物凄い勢いで振り返る。
背後から聞こえたその声に聞き覚えがあったから・・・。
そう、さっきまで俺の前でやる気のない自己紹介をしていた―――――――――――
「・・・・・・・・・・・・・。」
「何でフルネーム?ま、いいけど!ねえ、誰がヤな感じなの!?嫌いな人でもいるの!?」
「うっせえな!関係ねえだろぃ!?」
「え〜いいじゃん!教えてくれたって!」
俺の周りをチョロチョロと動き回る。
何なんだよコイツ・・・。
馴れなれしいだろぃ?
何で仁王もこんな奴・・・・・。
「ブン太、早くアップしないとダメだよ。次試合でしょ?」
を睨んでいたら、前から雪菜の声がした。
いつもの笑顔で俺に話しかけてくる。
やっぱマネージャーは雪菜だよな!
こんな変なマネージャーいらねえもん。
「今やるところ!今日も俺の天才妙技見といてくれよ☆」
「わかってるって!ほら、さっさと行動に移す!真田に怒られるよ!」
「はいはい。雪菜もいつも通りマネージャー頑張れよ!」
「ありがと。」
雪菜に背中を押されながらジャッカルのところに連れて行かれる。
確かに真田が俺を睨んでいた。
はいはい。
早くしろってか?
せっかちなんだよ、お前は・・・・。
後ろを振り返ると、ポツンとが立っていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「え?」
雪菜が眉間に眉を寄せる。
そこで初めて俺は今アイツの名前を呟いたことに気がついた。
慌てて何でもないと手を左右に振ると、雪菜はまた微笑んで仕事に戻って行った。
もう一度振り返ると、が赤也にチョッカイでも出したのか、
迷惑そうな表情をした赤也が、幸村君に首根っこ掴まれて連れて行かれるを見つめていた。
強制連行かよ・・・・・・。
アイツ本当にマネージャー業できるわけ?
大丈夫なのか?
かなり心配なんだけど・・・・・。
「おい、アップしねえのか?」
「あ?今するって・・・・・・・・・・・・早くしろよジャッカル。」
「俺かよ。俺はお前を待っててやってたんだぞ?何かソレ酷くないか?」
「気にすんなって!いつものことだろ?いつもの!」
そう、こんなのは日常茶飯事。
珍しくもなんともない。
いつものことだ。
いつもと何も変わってない。
変わってないはずなのに・・・・・・・。
「いやぁぁぁぁああああああああ!!!!」
の叫び声がコート内に響き渡る。
全員がの声のした方に振り返った。
そこでは幸村君が指をボキボキと鳴らしながら、に詰め寄ってるところだった。
「何度言ったらわかるのかな?赤也の次は柳生にセクハラとはいい度胸だね。」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃいいい!!!!!」
「ゆ、幸村君、そこまで怒らなくても・・・・・私はもうよろしいですよ?」
「甘いな。」
「ひぃっ、もうしませんもうしませんもうしません!!!!!」
何か・・・・・・・気に食わねえ。
。
さっきの答えを返してやるなら、俺の嫌いな奴ってのは―――――――
お前だよ
あとがき
何か・・・・・・・・・・・・・・・・主人公ってただの馬鹿じゃん。
ね、ごめんね。
でもそんなところが可愛いんだよね。
だからきっとこれからみんな気づいてくれるはず!
2007.01.07