1話 夢だって思ったけどおいしい話は信じるタイプ。
どうして?なんて何度も思った。
だけど理由なんて私にわかるはずなかったんだ。
目を開けるとそこは真っ白なベットの上だった。
保健室?なんて思ったけどすぐに違うということがわかった。
あきらかにそこは病院の個室を思わせるつんと鼻にくるアルコールの臭い。
ガチャッとドアノブが回って扉が開いた。
「目が覚めたのですね。おめでとうございます。貴女は二人目の生還者です。」
「は?生還者?何の話?てかどうして私病院にいるの?」
だって私の最後の記憶は学校が終わって友達と無駄話して、そしてお腹空いたから早く家に帰ろうって学校を出て・・・・
それからの記憶がない。
どうして?何がどうなって私は病院にいるの?
生還者って・・・・しかも二人目って・・・・私の他にこんな体験してる人いるわけ?
「さん、貴女は異世界トリップに成功したのですよ。だからここは貴女の知っている街ではない。
たぶんご存知でしょう。貴女の世界では漫画であるテニスの王子様の世界なんです。」
「はあ?アンタ頭イカれてんじゃない?テニスの王子様って・・・切原赤也のいる世界じゃない!そんなおいしい話があるわけないでしょ!?」
「私達は貴女のように夢見る人々を異世界に誘導し、保護する組織です。これは秘密組織ですし、貴女の世界にもこれはあります。」
何。ってことは、私は夢見る乙女だって言うの!?(←そこまで言ってない)
いや、毎日のように夢見てるけどさー。
だって妄想も華やかにできるお年頃だし?
というか秘密組織って何だよ。
「ねえ、私の他にトリップした人は?」
「そうですね、BLEACHの世界に二人、銀魂の世界に四人、DEATHNOTEの世界に二人、テニスの王子様の世界は貴女だけです。
うち、今現在、無事に目覚めたのは銀魂の一人と貴女の二人だけ。」
「目覚めなかったら・・・・どうなんの!?」
「死にます。大まかに言うと、現世にもトリップ先の世界にもその人はいなくなる。
一週間経っても目覚めなかった場合、こちらで死体は破棄されます。」
何ですと!?今なんておっしゃいましたか!?
私、危うく死ぬところだったんだね。
よかった。並の生命力じゃなくて。
だって昔、二階の窓から頭から落ちても死ななかったもんね。
ちょっとやそっとのトリップくらいで私が死ぬわけないよね。
ハハッ。
「私達は長年、誰にもバレることなくただこの日のためだけに研究に研究を積み、やっとのことで成功することができました。
さあ、貴女が夢見てきたこの世界をどうぞ楽しんでください。」
「そ、そんなこと言ったって騙されないわよ!アンタ達は私を拉致った悪の組織軍団なんでしょ!?
私をもとの世界に帰してよ!ちなみに私の通う学校はどこなの!?」
一瞬、悪の組織軍団の一員(←勝手に決め付けてる)の眉がピクッと動いた。
いや、だってさ・・・学校は重要でしょ?
赤也の通う学校ならまだここにいてもいいかな〜なんて。
あ、でも氷帝でもいいな〜。あは。
この際、テニスの王子様の世界ならもうどこでもいいや。
「そうですね、立海に通ってもらいましょうか。貴女の好きな切原赤也も通ってることですし・・・。」
グッジョブ!もう少しここにいてもいいかなあ。
だって赤也と同じ学校通えるんだし!
何かもういろいろ手配してくれるみたいだし!
ちょっとぐらい・・・いいよね?
私だって少しくらい楽しんでもいいよね?
「私、アンタ達のこと信じてちょっと楽しんでみる。」
「ありがとうございます。では貴女の住居を案内致しますのでついてきて下さい。」
「はーい!」
案内されたのはどこにでもありそうなワンルームマンション。
家具も、何もかも私好みに用意されていて、お金の方も不自由ないくらいの金額が入った通帳を手渡された。
明日から立海へ転入生として学校へ行くらしい。
とりあえず私は、明日朝迎えに来てくれる車を待てばいいらしく、今日はもう寝ることにした。
壁にはすでに、立海の制服が壁にかかっていた。
あとがき
トリップ連載スタートしちゃったゼ。
何かややこしいけどトリップ先、全部WJの漫画だからね。
個人的意見ですが・・・デスノだけはトリップしたくないなあ。
名前書かれてすぐ死にそう。はは。
2006.12.12