紅
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k
u
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n
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出会いはそう、偶然のような必然。
「・・・・ったく、襲われるかもとか考えないわけ?」
怖いと、そう思っていた君の意外な一面。
私が気づくことはなかったけれど、
その日から君と私の距離は確実に縮まったと思う。
一度近付いてしまえば、もう離れられない。
「やっぱり見たんだー!馬鹿!切原君のバカ!」
俺とはあんまり合わないかなって思ってた、そんな奴。
喋ってみると意外に面白くて、心地よかった。
その日から自然と俺の中でのアイツは大きくなっていって、
いつしか自分の気持ちもわからなくなるくらいアイツのことしか考えられなくなっちまった。
だけど、
擦れ違うそれぞれの想い。
俺達は 私達は
自分の気持ちすら理解できず、
この気持ちを恋と呼ぶことすら知らなかった。
もどかしい、
苦しい。
アイツの隣に 君の隣に
俺がいないことに 私がいないことに
何故だかイライラするんだ。
「いっスよ。付き合いましょうか。」
この気持ち、絶対認めたくねえ。
「・・・俺は、不満だけどな。」
何でかな。
君には本当に好きな人と幸せになってほしい。
「俺は、遊びのつもりじゃなか。」
本気になるつもりなんてなかった。
なあ ねえ
誰か早く気づかせて。
この気持ちの答えを教えて。
俺じゃ 私じゃ
この想いに名前をつけることすらできないんだ。
だって、
俺達は 私達は
どうしようもないガキだから。
このままじゃ、
お互いを傷つけ合うことでしか自分を保てない。
お願い。
誰かこの気持ちに名前をつけて。
アイツが 君が
この手からすり抜けていかないうちに。
誰か、早く。
2007.08.26 @ユギリ