君が教えてくれたモノ

 

 

 

鼻を掠める香水の匂い。

大嫌いな、アイツの匂い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

可笑しかった。

何が可笑しいって、全てが可笑しい。

朝からろくな事がないとは思っていたけど、まさかここまでとは予想もしていなかった。

 

さっきの休み時間にアイツが教室を出て行ったので今がチャンスだと思い滝に話しかけに行こうとしたら

いくら呼びかけても滝は携帯の画面を見つめたままビクともしなかった。

痺れを切らした私が机を力いっぱい叩くと、漸く顔を上げてくれはしたけど「何?」の一言で終わらされてしまった。

 

「何?」で終わるはずがないのに。

今の状況と朝の事、全てを考えれば決して鈍くない滝なんだからわかっているはずなのに。

 

それをあえて「何?」で終わらせたって事は、聞くなってこと。

 

真っ直ぐ捕らえた目がそう言っていた。

その表情から朝の優しい笑みは消え、ただ鉄仮面を被ったような冷ややかな表情。

 

ゾクッとした。

まるで別人のように思えて。

目の前の彼が私の知っている滝ではないように思えて、思わず「何にもない…」と言ってその場を去った。

 

 

 

 

 

向かった先は岳人のクラス。

隣の教室なだけあって今から行っても次の授業には間に合うだろうと思った。

赤みを帯びたその頭を見つけることは簡単で、私は大股歩きで携帯を弄る彼の席の前へと向かった。

 

携帯に影が出来たことにより、誰かが来たことを察したんだろう。

岳人はスッと顔を上げたけどすぐに目を見開き、小さく「あ、」と声を漏らした後あからさまに目を泳がせた。

 

 

 

 

 

「ねえ、ちょっと聞きたいことが…」

「悪ぃ、俺今日日直なんだった! また後にしてくれ!」

「あ、ちょっと……!!」

 

 

 

 

 

ガタンと席を立ち、私の隣をすり抜けて行く岳人。

黒板の日付欄の下にある日直欄を見たって明らかに向日の名はない。

 

逃げたな、そう思っても呼び止める術を知らない私は、黒板に向かって行くその背中をただただ眺めた。

上の方まで届かないからか、ぴょんぴょん跳ねる岳人。

今日の本当の日直の子だろうか、その子がそんな岳人に話しかけ、何やら岳人は苦笑いを浮かべながら首を振っていた。

そしてまた、黒板を消し始める。

 

 

 

 

 

(…ああ、そっか。)

 

 

 

 

 

私、避けられてる。

 

 

 

 

 

また、この時が来てしまっただけなんだ。

失う時が、来ただけ。

 

 

 

 

 

大切なモノはまた、手の平をすり抜けて行く。

 

 

 

 

 

ふらふらした足取りで廊下を彷徨う。

行き先がわからない。

何処へ行こう。

 

授業の開始を知らせるチャイムが校内に響き渡るも、そんなもの今の私に関係ない。

授業なんて、アイツのいる部屋で受けることなどできやしない。

受けたって今の頭じゃ何にも入ってこないだろうし、無駄なだけだ。

 

 

 

 

 

ドン

 

 

 

 

 

早歩きで教室に戻ろうとしていた誰かと肩がぶつかる。

反射的に相手は振り返り、私も立ち止まる。

 

 

 

 

 

「あ、すみませ…――― ッ!」

 

 

 

 

 

相手の目は見開き、私の顔を確認した途端にその表情を変える。

困惑した、さきほどの岳人のような、そんな顔。

 

この後どんなリアクションをとられるのか大体の予想がついた私は

何も言わずに彼に背を向け、歩き出す。

胸が、張り裂けそうに痛かった。

 

 

 

 

 

、先輩……。」

 

 

 

 

 

私の名を呼ぶ声がポツリと聞こえた気がしたけど、

あえて振り向くことなどしなかった。

 

振り向いたって、困惑した彼の表情を見てしまうだけ。

 

きっと、彼、日吉若も私が振り向くことなどないとわかっていたんだろう。

すぐに彼が歩き出す足音が背中越しに聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チョークを黒板に走らせながら教科書を読み続ける先生。

先ほどの時間までは埋まっていたはずの空席。

 

滝はしきりにその空席に視線を送るも、その席を使用している生徒が戻ってくる気配はない。

 

 

 

 

 

「何、気になる?」

 

 

 

 

 

突然隣から声がかかる。

ハッとして滝は視線をその人物へと向けた。

 

口許に嫌な笑みを浮かべながら机に肘をつき、顔を覗き込んでくる再従兄弟。

秋乃を視界に捕らえると滝はおもむろに表情を険しいものへと変えた。

 

 

 

 

 

「別に。 気になんてならないよ。」

「相変わらず冷たいね萩は。 そうやってガキの頃も、俺を見放したんだろ?」

「……見放してなんかない。 こうやって、ちゃんとフォローだってしてきたつもりだけど。」

 

 

 

 

 

小声で話す二人に先生は気づきもしない。

周りの生徒も特に気にせず隣近所と雑談したり真剣に黒板の字の板書を続けていた。

 

滝の返答に秋乃は面白可笑しそうに噛み殺した笑いを零す。

そんな秋乃を見て、滝の眉が跳ね上がった。

 

 

 

 

 

「確かに、そうだよな。 お前が全部仕向けたことだもんな。

俺にを与えてくれたのも、を合宿に連れて行かせたのも。」

 

 

 

 

 

細まっていた目がスッと開く。

そんな秋乃の目にはもう笑みは消えていて、

ただ睨むように、澄ました顔をした滝を見つめていた。

 

 

 

 

 

「なあ、お前が誘う前にが跡部と接触したらしいけど、それもお前が仕向けたこと?」

 

 

 

 

 

低くなった声が滝の耳を掠める。

思い出されるのは食堂での出来事。

 

あれには確かに滝も驚かされてものがあった。

秋乃に頼まれ、を合宿のマネージャーとして手伝いに来てくれないかといつ誘おうと考えていた矢先の出来事だったから。

不運と言うべきか何と言うべきか、跡部の頭に牛乳をぶっ掛けてしまった

 

滝からすれば運が良かった。

誘う口実ができたのだから。

あとは自分の口の上手さを利用すれば簡単だった。

 

だけど、

 

 

 

 

 

「さあ、運命だったんじゃない? 跡部とが出会ったのって。」

 

 

 

 

 

きっと、起きるべくして起きてしまった出来事。

 

滝はもう一度誰も座っていない空席に視線を向ける。

ポツンと地面に置かれた鞄。

それにはいくつもの足跡があった。

故意的なモノなんだろうと、滝はギュッと唇を噛み締め手にしていたシャーペンを握り締めた。

 

すると隣から乾いた笑いが漏れる。

しばらくして笑いが止まり、滝のシャーペンを握っていない方の手の甲に秋乃のシャーペンが突き刺さる。

 

 

 

 

 

「誰と、誰が運命だって?」

「―――…ッ!」

 

 

 

 

 

ぐりぐりと抉るようにペン先は突き刺さる。

表情を歪める滝に満足したのか、秋乃はそっとその手を放した。

滝はバッと手を引き寄せ、感覚が麻痺しかけていた甲をさする。

 

 

 

 

 

「朝の部室で聞いただろ? お前らテニス部はもう、とは何の関係もないんだよ。 運命なんてバカな話、すんじゃねぇ。」

「…………、」

 

 

 

 

 

低く、地を這うような声。

滝は何も言わずにただ唇を噛み締め、睨むように秋乃を見つめた。

キツく噛み締めた奥歯が嫌な音出す。

腸が煮え返りそうな感情を抑え、何とかそれだけに抑えた。

 

 

 

 

 

「ま、精々あと少し頑張って、萩君。」

 

 

 

 

 

ニヒルな笑みを浮かべた秋乃を睨みつけていた滝の目がハッと見開く。

ヒリヒリ痛む手の甲に視線を落とし、滝は口を噤んだ。

 

一瞬だけ、秋乃の瞳が寂しそうに揺れ動いたその瞬間を思い出しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あ、あー……今、何時だ?」

 

 

 

 

 

頭をぽりぽり掻きながら大きな欠伸を零し、起き上がる。

まるでジローみたいだと思いながらカチカチと動き続ける時計を見上げた。

 

埃っぽいこの空き教室に差し込む日はもう穏やかなものに変わっている。

相当な時間眠りこけていたのだろう。

ばれないようにこっそり拝借してきた教室の鍵は握ったままだったので手の平にはくっきりと鍵の痕。

 

そう言えば昼飯を食べずに眠り続けていたことを思い出す。

身体は正直だ。

グーと空腹を知らせる音が鳴るも、何も食べる気は起こらなかった。

 

 

 

 

 

「部活の時間……か。」

 

 

 

 

 

本来ならば、だが。

先週まで自分は毎日部活に出ていた。

合宿までの間だけという約束で、お金欲しさに汗水垂らして頑張った。

 

だがその約束も終わり、そこへ行く理由はない。

続けろとは言われたが続けるとも言っていないし、入部届けを出したわけでもない。

だが、の足は何かに縋るように部室へと向かっていた。

 

 

 

 

 

(……鞄、教室に置いたままだ。)

 

 

 

 

 

相変わらず覚束ない足取りで向かった先の部室のドアノブに手をかけて思い出す。

まあいいか、とドアを開けるも、中には誰もいない。

電気は消え、ロッカーがあるにも関わらず散らばった制服と、鞄。

そして長ソファーで眠りこけているジロー。

 

 

 

 

 

(もう今の時間なら彼らは着替えてコートに出ている時間か。)

 

 

 

 

 

そんなことをぼんやりと考えながらコートへと向かうため部室のドアノブを握る。

もしかしたら今朝の事も全て、夢だったのかも知れない。

そう僅かな希望を抱き、傍らでは不安を抱き、泣いて腫れぼったい目蓋を擦る。

 

 

 

 

 

「……行かない方が、いいよ。」

 

 

 

 

 

聞こえてきた声にビクリと肩を跳ね上がらせ、握っていた手を緩める。

振り返ると先ほどと何ら変わらず背を向けソファーで寝息を立てるジロー。

 

寝言か。

 

そう思って再びドアノブに手をかけ、は部室を出て行った。

ガチャンとドアが閉まった音が誰もいなくなった部室に響く。

 

 

 

 

 

「……ちっくしょー。」

 

 

 

 

 

ギュッと握り締めた拳を天井に向けて突き出す。

スッと開いたジローの目尻から、一滴の涙が零れ落ちた。

 

 

 

 

 

見えてきたコートには相変わらずのギャラリーと、声援。

しかしまだ練習は始まっていないのだろう。

いつもより声援はうんと小さく、キャーキャーという黄色い声とざわめく声が辺りに響いていた。

 

 

 

 

 

(……制服のまま、コートに出てよかったっけ?)

 

 

 

 

 

ましてや靴は上履きのまま。

こりゃ監督に見つかれば長時間の説教物だと思いながらもコートへと足を踏み入れる。

 

騒がしかったギャラリーがの姿を見るなりゆっくりと静まり返り、

コートの真ん中でまばらに集まっていた部員が一斉にへと視線を向けた。

 

 

 

 

 

「っ、お前、どうして……!!」

 

 

 

 

 

真っ先に反応を示したのは宍戸だった。

その隣には長太郎いたが、彼は驚きのあまり目を見開き、何も言えずにいた。

 

再びザワザワとざわめき出すギャラリー。

制服姿のままであるに誰もが視線を這わせ、その場に不釣合いなを見て首を傾げた。

 

 

 

 

 

「……あ、あのさ、話が…」

「マネージャーは合宿で終わったはずやで、。」

「っ、忍足先輩…!」

 

 

 

 

 

勇気を出してが宍戸に向かって言った言葉にかぶさる声。

の背後から現れた忍足を見て、長太郎が漸く口を開いた。

 

 

 

 

 

「もうこことは何の関係もないやん。 早よ帰り。」

「ちょっと待ってよ! 私は話があってここにっ!」

「それと、上履きでコート来られたら困るんやけど。 監督にバレたら煩いしな。」

「忍足先ぱっ……!」

「長太郎!!!!」

 

 

 

 

 

の言葉を遮り続ける忍足を止めようと足を踏み出した長太郎の肩を掴む宍戸。

その途端、長太郎の名を叫んだ宍戸に視線が集中した。

しかし宍戸は気にせず長太郎に首を左右に振って見せるだけで何も言わなかった。

長太郎はハッとして口を閉ざし、一歩後ろへと下がる。

 

それを後ろから見ていた日吉が苦い表情を浮かべ、再び壁打ちを再開した。

 

 

 

 

 

「何の騒ぎだ、アーン。」

 

 

 

 

 

ギャラリーから黄色い声がドッと湧き上がる。

どこかへ行っていたのだろう、ラケット二本抱えた樺地を後ろに引き連れコートへと入ってきたばかりの跡部に視線が集中する。

 

しかし、その最後尾に姿を現した人物を見て、の目が見開いた。

 

 

 

 

 

「俺様が監督と話をしに行ってる間にアップを済ませろと言っておいたはずだぜ、忍足。 終わったのか?」

「……まだ、今からや。」

「今からだと? ナメてんのか、お前。」

「堪忍、そやけどが……」

 

 

 

 

 

の心臓が跳ね上がる。

まるで跡部にどうにかしてくれと言わんばかりの口調。

忍足の視線に合わせ、跡部の視線もゆっくりとコチラへと移る。

 

一瞬だけ合った目に、どきんと胸が高鳴り、キュッと唇を噛み締めた。

 

 

 

 

 

「あ、跡部っあのさ…!」

「部外者は出て行け。 お前はもうマネージャーじゃねぇ。」

「っ、ちょ、ちょっと待ってよ! さっきから聞いてればみんなどうして急にっ…!」

「おい樺地、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コイツを放りだせ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひょいっと軽くなる体。

 

体中の血液がものすごい勢いで体の中を駆け巡る。

 

真っ白になる頭と大きく見開く目。

 

視界が滲み、まるで時が止まったように体が動かなかった。

 

 

 

 

 

――― ああ、結局私はまた、見放されてしまうんだ。

 

 

 

 

 

大切なモノを失うのはこれで何度目だろう。

失う時はほんの一瞬で、いとも簡単に手の平をすり抜けて行く。

 

掴んでいてほしかったのに。

心の何処かで、少しだけ期待していた。

すり抜けそうなる手を掴んでくれるんじゃないかって。

跡部なら、この手を放すことなく、掴んでいてくれるんじゃないかって。

 

 

 

 

 

バカだ、私。

あれだけ嫌いだと言い続けていた相手に期待して、バカみたい。

 

こうなることを分っていて手を伸ばした。

失うと分っていたくせに。

もう一度手を差し出してしまったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 誰と比べてるのか知らないけど、最初から決め付けて人を見るの、良くないし。

 

 

 

 

 

――― すみません、先輩……

 

 

 

 

 

――― マネージャー、お前は嫌がってたけど……続けろって言ったじゃん。

 

 

 

 

 

――― んな難しい顔すんなって。 お前はそうやってキャンキャン吠えてる方が似合ってっぞ。

 

 

 

 

 

――― 跡部さんは、嫌いじゃない。

 

 

 

 

 

――― ………跡部さんは、……いい人、です……。

 

 

 

 

 

――― フルネームとか何か面倒やん。 侑士でええよ。

 

 

 

 

 

――― 言っておくが俺様はお前のこと、嫌いじゃねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠ざかるコートの景色。

ぼんやりした頭に浮かぶのは昨日までの“彼ら”という存在。

何度も何度も私に笑顔で接してくれていた、彼ら。

 

 

 

 

 

擦れ違い様に合った目。

鼻を掠めた嫌な香水の匂い。

 

棟田秋乃がこちらを向いて笑っていた。

 

 

 

 

 

「……今まで、……ありがとう、ございました。」

 

 

 

 

 

そう言って樺地はを校舎の正面玄関で降ろす。

もはや支える気のないの体はそのまま力なくその場に崩れ落ちる。

その所為かうんと大きく見えた樺地から差し出された物を受け取ることも出来ず、ただ涙で溢れた目をそれに向けていた。

 

樺地は受け取ってもらえなかった茶色い封筒に視線を向ける。

中には約束の金が入っているのだろう。

仕方なく放心状態のの膝の上に置いて、樺地は切なそうな瞳を揺らしながら背を向け去って行った。

 

 

 

 

 

零れ落ちる涙。

ズキズキ痛む胸。

 

 

 

 

 

どうして、何で。

 

愚問だった。

 

分っているはずだ。

自分では分っているはずだった。

 

でも頭が、心がそれを否定する。

 

失いたくないと、手を放したくないと。

夢であって欲しいと、みんなの傍にいたいと。

 

 

 

 

 

零れ落ちる涙に、声を押し殺して泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…これで、満足か?」

 

 

 

 

 

ざわめくギャラリーに囲まれ、反対に水を打ったようにしんとしたコート内。

低く掠れた声を発した忍足に誰もが唇を噛み締めた。

 

今の言葉を向けられた一人の男以外は。

 

 

 

 

 

「これで満足かって聞いてんねん! 満足なんかこれで!!」

「侑士、やめろよ!!」

 

 

 

 

 

食って掛かりそうな勢いの忍足の腕に向日がしがみ付く。

口を閉ざしたままそんな忍足をじっと見つめている秋乃に日吉は恨めし気に視線を向けた。

噛み締める唇に血が滲む。

宍戸の鋭い視線が秋乃の体中に突き刺さる。

 

 

 

 

 

ガシャンッ

 

 

 

 

 

コート一面に響き渡るベンチが蹴り倒される音。

散らばるボトルやタオルを慌てて長太郎が拾いに行こうとする。

 

 

 

 

 

「棟田秋乃。」

 

 

 

 

 

低く地を這うような声。

射抜くような強い瞳。

 

跡部はゆっくりと秋乃との距離を縮める。

 

 

 

 

 

――― アンタのことは、嫌いじゃないよ。

 

 

 

 

 

戻ってきた樺地の手からラケットを一本奪い取ると、

 

 

 

 

 

「コートに出ろ。 入部テストだ。」

 

 

 

 

 

ジャージを脱ぎ捨て、喉仏あたりにラケットを突きつけた。

それに応えるように秋乃はニヒルな笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんじゃ、ゲームスタートといきますか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________________________________

あとがき 2008.05.22

いざ文章にしちゃうと思ってたより展開早い……。